室生犀星「或る少女の死まで」と「ザボンの実る木のもとに」 [文学小説]
以前に、ブログで村上春樹『ノルウェイの森』と「螢」の関係について論じたことがありました。「螢」は『ノルウェイの森』の一部となっている短編集で、『ノルウェイの森』は「螢」をほぼ完全な形で含んでおり、作品の出発点となったと考えています。
同様の構造を、室生犀星「或る少女の死まで」と「ザボンの実る木のもとに」にも見ることができます。「ザボンの実る木のもとに」は「或る少女の死まで」の一部と見なせる作品ですが、「或る少女の死まで」はそれほど長い作品ではないので、一部と言うの言い過ぎかもしれませんが。
ところで後者の底本は「室生犀星全集第一巻」新潮社、昭和三十九年とされており、「或る少女の死まで」よりは新しい作品のようです。とするとこれは作者が「或る少女の死まで」と書いた後で、そのコアとなる部分を再度取り出して結晶化したものと考えられるかもしれません。
※下記の電子本を読みました。
同様の構造を、室生犀星「或る少女の死まで」と「ザボンの実る木のもとに」にも見ることができます。「ザボンの実る木のもとに」は「或る少女の死まで」の一部と見なせる作品ですが、「或る少女の死まで」はそれほど長い作品ではないので、一部と言うの言い過ぎかもしれませんが。
ところで後者の底本は「室生犀星全集第一巻」新潮社、昭和三十九年とされており、「或る少女の死まで」よりは新しい作品のようです。とするとこれは作者が「或る少女の死まで」と書いた後で、そのコアとなる部分を再度取り出して結晶化したものと考えられるかもしれません。
※下記の電子本を読みました。