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梅田望夫・平野啓一郎『ウェブ人間論』、新潮新書(2006) [論説文]

正月休みに梅田望夫の本を集中して数冊読みました。

この人の書いた、『ウェブ進化論』は有名で、かなり売れたようです。この『ウェブ人間論』という本は、ネットと人間(の生活)の関わり方について焦点を当てた本で、作家の平野啓一郎氏(私はこの人の本を読んだことがありません)との対談形式になっています。

梅田氏は、ネットは個の可能性を限りなく増大させてくれるものだとの立場に立っていて、団体やチームというよりは個の視点から論じているのが特徴ですね(これはこの本に限らず、氏が書いた他の著書でも言えることですが) 結果的に世の中全体の変化についての論になっていますけれど、それにはまず個が生き延びるのが前提でそのために押さえておかなければならない心構えというか、考え方を提示しています。

平野氏は、梅田氏よりも15歳ほど若いのですが、この本の対談ではむしろ梅田氏よりも世代が上という印象を持ちました。ネット上での著作権問題や匿名に起因する問題など、新聞やテレビでしばしば取り上げられるトラブルについて平野氏が梅田氏に問いかけているのですが、梅田氏の見解は前向き、かつ明解であって、読みごたえがあります。

梅田氏は、リアル社会とネット社会という2つの軸で論じています。
インターネットが無かった時代には、もちろんリアル社会しか存在しないわけですが、ネット社会(もうひとつの地球)ができてから人々は第2の社会を生きられるようになりました。私は、これは基本的には選択肢が増えたという意味で良いことだと思っています。この著書の中でも少し触れられていますが、リアル社会で成功しなくてもネット社会で成功する可能性があるわけで、個の視点から考えるとより広い可能性を試せるわけですから。

梅田氏の他の著書についても、順次取り上げていきたいと思います。


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