SSブログ

橘玲『シンプルで合理的な人生設計』、ダイヤモンド社(2023) [社会科学]

橘玲氏のハウツーで、成功法則を人的資本、経済資本、社会資本の3軸から解説したものです。題名に「合理的な」と入っているように、経済や統計確率のベースで人生や幸せを分析していくといったスタイルですね。引用文献も数多く紹介されており(海外書籍の日本語訳が多い印象です)、更に詳しく知りたい人に対しても親切にできています。

私は、橘氏の本は好きなので今までに何冊も読んでおり、その延長線上で今回も楽しく読みました。今回特に面白かったのが第7章―人的資本の成功法則で、「バイオリンの天才児はなぜデリヘルドライバーになったのか」の部分です。この事例は、あることで成功する(=世の中に認められ、その認められたことで安定した生計を立てることができる)には、どの程度の競争に勝ち抜かなければならないかについて大変貴重な気づきを与えてくれており、その程度は分野によって桁違いに開きがある、ことがよくわかります。特に芸術系の競争は熾烈(イスの数に比して参加者がものすごく多く、競争率が高い)で、かつ取得した技術は他への転用が効きにくいことがよくわかります。また世の中に認められるにはどの程度の努力が必要かという、「努力―成果曲線」と言うべきもの(図33)から、芸術系では日の目を見るために必要な努力量が多い(=市場のレベルが高いとも言う)がわかります。

こういうのをわかった上で、じゃあ自分はどうするの?ということについて或る程度の示唆は与えてくれていますけど、自分自身の置かれている状況を考えて、「自分でよく考える、そしてやってみる」が最適解でしょうかね。


シンプルで合理的な人生設計

シンプルで合理的な人生設計

  • 作者: 橘 玲
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2023/03/08
  • メディア: Kindle版



nice!(2) 
共通テーマ:

nice! 2

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。