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谷本真由美著『キャリアポルノは人生の無駄だ』、朝日新書(2013) [社会科学]

☆☆☆★★

「キャリアポルノ」とは「自己啓発本」のことだそうです。以前に読んだ、佐藤留美『なぜ、勉強しても出世できないのか?』、ソフトバンク新書と同系列の本ですが、こちらの本の方は”労働とは何か”といった問いにこだわった内容になっています。谷本女史が国連の機関で働いていたときに接した、様々な外国人とのやりとり、特にイタリア人とのやりとりが面白く描かれています。イタリア人って楽しそうでいいですね(笑)

成功するためのノウハウや、自己啓発本のからくりやウソ、有名人をコピることの危険性については、佐藤氏の指摘と似ていますね。現状を冷徹に見ているという点ではどちらも共通しており、自己啓発本を読むのが好きな人には読んで損はなさそうな内容です。


キャリアポルノは人生の無駄だ (朝日新書)

キャリアポルノは人生の無駄だ (朝日新書)

  • 作者: 谷本真由美(@May_Roma)
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2013/06/13
  • メディア: 新書



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佐谷恭、中谷健一、藤木穣著『つながりの仕事術』、洋泉社新書(2012) [社会科学]

☆☆★★★

コワーキングスペースという、セミクローズドな空間で仕事するスタイルを紹介した入門書のようです。概念の説明から実践まで、注意点も含めて一通り網羅されています。

独立して仕事をしている人やフリーランスならば確かによいかもしれないです。一方で、組織に所属してフルタイムで働いている人には難しいのでは、というのが正直な感想でした。そもそもどうしても片付けなければならない仕事を抱え、自宅でそれをやるのが難しいから場を求めているわけで、予備校の「自習室」や図書館の閲覧室のような場所があればそれで事足りるのでは、と思いました。

私は、勉強会やセミナー参加には興味が無いので、スタバやルノアールで十分と思ってしまいましたが、つながりを求める方には意味があるのかもしれません。その辺はご自身で読んでご判断ください。



つながりの仕事術~「コワーキング」を始めよう (洋泉社新書y)

つながりの仕事術~「コワーキング」を始めよう (洋泉社新書y)

  • 作者: 佐谷 恭
  • 出版社/メーカー: 洋泉社
  • 発売日: 2012/05/10
  • メディア: 新書



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今週の弓道 [弓道・武道]

今週は夏休みで時間が取れたため、久しぶりに弓道場へ行った。
なんと1年以上ブランクが空いていた。

思ったよりも射が崩れていなかったのは幸いだったが。矢数がかけられない(^^;
一昨日は一手ずつ、本日は巻藁練習でウォームアップしてから四つ矢で練習。稽古の終わりになってやっと中たりが出てきた。

一昨日は弦切れを起こし、「おぉ、1年以上使っていないと弦も劣化して切れるんだ!」と、妙に納得。
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比嘉邦彦、井川甲作著『クラウドソーシングの衝撃』、株式会社インプレス(2013) [自然科学]

☆☆☆☆★

クラウドはCloudではなくて、Crowd(群衆)の意味。インターネットが普及してインドや中国から優秀で低価格の知力を活用できるようになり、仕事が劇的に変わる、ということを力説した本。今までとは比較にならないくらい大きな雇用流動化が引き起こされる可能性があるという。こういう話はワクワクしますo(^-^)o ただ、教科書的というか、よく言えば具体的な話も含めて一通り入っていて、面白いところだけつまみ食いする構成にはなっていないので、最初から最後まで全部ワクワク、というわけにはいかないかもしれません。

自分は、何らかのプロフェッショナルで生計を建てるんだ、と考えている人にはよいかも。」

クラウドソーシングの衝撃 雇用流動化時代の働き方・雇い方革命 (NextPublishing)

クラウドソーシングの衝撃 雇用流動化時代の働き方・雇い方革命 (NextPublishing)

  • 作者: 比嘉邦彦
  • 出版社/メーカー: インプレスR&D
  • 発売日: 2013/06/27
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)



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森博嗣『「やりがいのある仕事」という幻想』、朝日新書(2013) [エッセイ・随筆]

☆☆★★★

アンチ「自分のやりたいこと」、「自分の好きなこと」、「自分探し」本
言っていることはそうかな、と思いますが、買って熟読する価値があるかは??

少し前に、漫画家であった、故・手塚治虫氏の作業現場を描いた漫画、『ブラックジャック創作秘話1,2』という本を読みました。作業現場は自転車操業、綱渡りもいいところで、これでよくまあ回っていたものだと思います(実際問題として、回らなかったこともあったのでしょうが)。ネットもメールもなかった時代の、良い意味でのんびりしていた時代を郷愁を持って描いたのかもしれませんが、こういったドキドキ、ハラハラの仕事(の雰囲気)が好きだ、という人にはこの本はお薦めできません

また、著者の限られた範囲内での観察事実に基づいた、有用かつ冷徹なアドバイスがある。自分で自分が何に向いているかは、結構難しい判断だ、とか、自分の好みと適正は多くの場合一致していない、とか。前者に関しては、信頼が置ける周りの人に尋ねてみるのが最も正確だ、と私は思います。




「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書)

「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書)

  • 作者: 森博嗣
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2013/05/10
  • メディア: 新書



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野口悠紀雄『製造業が日本を滅ぼす』、ダイヤモンド社(2012) [社会科学]

☆☆★★★

野口先生の本は、ハウツーものを中心に今までいくつか読んでいます。ハウツーについては役に立つ技術やサイトを知ることができて有益でした。

円高、脱製造業が日本に富をもたらすというか、今後世界との競争の中で生き残る道である、との主張です。工業製品は技術レベルがさほど高くない(がしかし人件費がとても安い)国でもそこそこ満足する品質のものを作れるので、日本がウリにしてきた”匠の技”的な高度な技術(と高い人件費)は今後不利になる、というメッセージです。その背景には製品を構成する部品の標準化が進んだためだとのこと。円高については、燃料費や原料の高騰はそのまま企業や家計を直撃し、結果として労働者の収入が増えない、と笑えない話です。確かにガソリンの価格はずっと高価格が続いており、だからクルマを使うのを止めようという判断はなかなかできないわけでして、実感として困ったものだという意識は確かにあります。また、震災後の電力供給問題について言及があり、日本から製造業が減れば必要とされる電力量も減るので、脱原発も可能だとのこと。この考え方は新鮮でした。

様々なデータを挙げながら論を展開していくのですが、きちんと理解しようとするとそれなりの基礎知識が必要です。基礎知識が無いためよくわからない部分もあり、自分としての全体評価は高くなかったですが、わかる人が読めばもっと評価が高いのでは、と思います。




製造業が日本を滅ぼす

製造業が日本を滅ぼす

  • 作者: 野口 悠紀雄
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2012/04/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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小山なつ著『痛みと鎮痛の基礎知識(下)』、技術評論社(2010) [自然科学]

ISBN978-4-7741-4158-9 C3047, 1,580円
☆☆☆★★

上巻に引き続き下巻も読了。

痛みにまつわる様々な病気や治療法の紹介が中心で、発見の歴史や人物の紹介に力を入れている感じ。教師が教える時のネタ本としてはよいかもしれないが、正直読んでいて退屈気味。歴史系が好きな人には面白いかも。


痛みと鎮痛の基礎知識[下]臨床編 ~さまざまな痛みと治療法 (知りたい!サイエンス)

痛みと鎮痛の基礎知識[下]臨床編 ~さまざまな痛みと治療法 (知りたい!サイエンス)

  • 作者: 小山 なつ
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2010/02/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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