箙田鶴子/千葉敦子『いのちの手紙』 ちくま文庫 [エッセイ・随筆]
web-siteの読書ノートに、私の好きな、千葉敦子の著書を1冊加えました。
箙田鶴子という、小児麻痺を患いながら作家活動を続けた方との往復書簡集です。全部で31通の書簡が収められていますが、なかなか読みごたえのあるものでした。この著書の中で、千葉敦子が福永武彦のことを好きだと言っている箇所があるのを見つけて嬉しくなりました(笑)
千葉氏の言によると、福永は高橋和巳とは対象的に、「日本的自然主義の土着性への執着」の全くない一人で、西欧的自我をその根底に置いている、とあります。私は、高橋和巳の著書は『我が心は石にあらず』を一冊読んだだけなのですが、極めて対照的かと言われると、ちょっと自信がありません。
千葉女史が詩集やクラッシック音楽を楽しまれていることや、自分の才能を活かして世の中に貢献することは、生を与えられた者の義務だと思っていること、などなど、千葉女史の考え方や日常の様子がよく伝わってくる文章です。こういう、相手に理解しやすく、感情的にならず、理路整然と文章が書けるというのも、女史の優れた能力の一つかと思っています。
以上
箙田鶴子という、小児麻痺を患いながら作家活動を続けた方との往復書簡集です。全部で31通の書簡が収められていますが、なかなか読みごたえのあるものでした。この著書の中で、千葉敦子が福永武彦のことを好きだと言っている箇所があるのを見つけて嬉しくなりました(笑)
千葉氏の言によると、福永は高橋和巳とは対象的に、「日本的自然主義の土着性への執着」の全くない一人で、西欧的自我をその根底に置いている、とあります。私は、高橋和巳の著書は『我が心は石にあらず』を一冊読んだだけなのですが、極めて対照的かと言われると、ちょっと自信がありません。
千葉女史が詩集やクラッシック音楽を楽しまれていることや、自分の才能を活かして世の中に貢献することは、生を与えられた者の義務だと思っていること、などなど、千葉女史の考え方や日常の様子がよく伝わってくる文章です。こういう、相手に理解しやすく、感情的にならず、理路整然と文章が書けるというのも、女史の優れた能力の一つかと思っています。
以上
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