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上野千鶴子『男おひとりさま道』、法研(2009) [社会科学]

社会科学者、上野千鶴子の著作です。相変わらずびしびしと世の中の現象を分析しています。

男おひとりさま道

老いゆく男に焦点を当てた、社会科学的分析とハウツーを組み合わせた本。自説をサポートするための論拠はきちんと引用されているが(さすが学者さん)、その諸説が学問体系の中でどのような位置付けにあるかどうかについてまではこの本で知るのは無理。もし興味があれば専門書を見ないといけませんね。

<目次>
1.男がひとりになるとき
2.下り坂を降りるスキル
3.よい介護はカネで買えるか
4.ひとりで暮らせるか
5.ひとりで死ねるか

「男って大変よねーっ」という、皮肉とも同情とも言えないような眼差しを全体的に感じて、読んでいる間中やや不愉快な気分はありました。が、実際のところ特に介護の問題などは、現実をきちんと見て実態を分析するとこうなる、というのを真正面から突きつけてくれているのは大変価値があるように思われます。自分勝手に美化するなよ、かと言って過剰に悲観する必要もないよと、ここら辺は実態調査をきちんと行い、分析された上で書かれているので、読むに値するでしょう。自分自身に引き付けて読むことができる、価値のある内容が多数含まれています。

それから、この本の中には将来に増えるであろう介護、老人の孤独、福祉の問題が抱えるている未充足ニーズがたくさん出てきます。これに対処する上手い方法を考えつけば、とても面白いビジネスモデルになるように思うのですが、何か新製品をポンと作ってそれを売れば終わり、という分野では無さそうですので、メーカーサイドの発想ではダメでしょうね
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