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近藤宗平『人は放射能になぜ弱いか 第3版』、講談社ブルーバックス(1998) [日々のこと]

福島第一原発の事故があってから、放射能や原子力発電所関係の書籍がわっと増えました。本屋では専用のコーナーを設けて関連する書籍をまとめ置きしているところもあります。

福島第一原発の事故の経過は、TVや新聞でも連日報道されています。環境への大きな放射能漏れはひとまず収まったものの、避難指針や子どもの被曝量が大人と同じでよいのかという点で依然として混乱が続いているようです。これは、高レベルの線量を浴びたときの影響はよくわかっているのに対し、すぐに影響が出ないような低線量の放射線を長期間にわたり浴びたとき、人体にどのような影響が発生するのかがよくわかっていないからのように思われます。広島、長崎の原爆やチェルノブイリ事故の結果の分析から仮説は立てられるのですが、それでも専門家の間では諸説あるようであり、現状で決定的なことは言えないというのが本当のところかと。ここの部分の議論の一番のポイントは、低線量被爆の影響に閾値(ある一定量までは影響が出ないという限界量のこと)が存在するか否かで、閾値の有無により災害対策が大きく変わります。

下記の本は、1998年に書かれたものですが、放射線が生物に与える影響について、啓蒙書のレベルでは比較的詳しく書かれているので(特に生物学の部分が)、お勧めできます。この本では「低線量被爆の影響は閾値が存在する」となっています。もし原発事故の放射能リスクについて何か勉強したいとお考えであるならば、最初に読む一冊としてはよいのではないかと思われます。科学者というのはデータに基づいて推測、判断を行うので、その元になるデータが信用できない(チェルノブイリ事故に関して調べられたデータは捏造されている等々)と疑いだしたらキリがありませんが。。。もしそのようにお考えの方がいらっしゃいましたら、他の情報も幅広く収集して判断するしかないでしょうね。


人は放射線になぜ弱いか 第3版 (ブルーバックス)

人は放射線になぜ弱いか 第3版 (ブルーバックス)

  • 作者: 近藤 宗平
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1998/12/18
  • メディア: 新書



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