山崎将志『残念な人のお金の習慣』、青春出版社(2011) [論説文]
山崎将志『残念な人のお金の習慣』、青春出版社(2011)
★★★☆☆
「残念な人」シリーズの最新刊で、お金にまつわる話を集めたものです。筆者は、投資で痛い思いをした経験があるそうで、その経験談も入っています。
第1章 お金を稼ぐために決定的に重要なこと
第2章 お金のためにすべてを変えろ
第3章 お金を稼ぐ人の時間と頭の使い方
第4章 貯金、そして投資、消費、浪費
第5章 こうすると投資は失敗する
おわりに
読者層を選ぶ本で、少なくとも定期的にきちんと収入があり、生活には困っておらず、かつ投資を考えてみようかという少額の元手を持っている人を対象にしているように思います。内容としては至極まっとうなことがわかりやすく書かれているので、この手の入門書としては悪くないでしょう。特に楽をしてお金を増やしたい、収入を得たいと思っている人に対しては、そんなことは無理だと綿々と説明し続けます。お金を稼ぐ人とそうでない人の比較も論じられていますが、筆者独自の視点はあまり感じられませんでした。今自分が立っている足下をきちんと見て、現在の仕事で収益アップを図るのが最も効率がよいというのは、確かにその通りかと。
第4,5章が投資に関する内容になっています。筆者は投資を否定しているわけではありませんが、ある条件(7つあります)を満たさなければ手を出さない方が良いだろうと説いています。今、日本はデフレなのでお金の価値が上がっており、先のことはわからないまでも敢えてリスクを取る必要があるかはよく考えた方がよい、と。(具体的に何をどう考えるかは本書をお読み頂ければ書かれています) 投資をするならば、このような商品が良いという紹介本はたくさんありますが、それらの本は「投資をする」という前提に立って書かれているものが多いのです。この本は、そもそも投資をする/しないという判断のところを結構詳しく説明してくれているので、投資をすると決断した人、そうでない人の両方が読んで益になるとことがあるでしょう。
山崎氏は時間の価値を非常に気にする方のようで、投資で儲かるにしても、それに投入する手間(特に時間)を見極めなければいけないと強調します。これはお金と時間を秤にかけることですが、それに先だって自分の人生設計をしっかりと見て、お金と時間の価値を考えておかなければならないということですね。
以上
2012-01-21 22:57
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