デイヴィッド・T・コートライ『ドラッグは世界をいかに変えたか-依存性物質の社会史』、春秋社(2003) [社会科学]
嗜好性のある物質、サイコアクティブ化合物と人間社会(文化)の関わりの歴史について概観した本です。サイコアクティブ化合物というと、たいていの人は麻薬、タバコ、酒が思い浮かぶと思いますが、著者によると砂糖、カフェイン(お茶、コーヒー)も含まれるとのこと。カフェインはわかりますが、”砂糖”が入っているのは面白いですね。
”ドラッグ”というと、生きていく上で必需品ではないが、いったんはまると習癖性が強く抜け出すのが困難で、身体には悪い、という先入観がありましたが、生きていく上での必需品であればそれを身体が強く求めるというのも確かなので、サイコアクティブ性があってもおかしくありませんね。単に言葉の問題で、”嗜好性”をどのように定義するかでしょうか。
このような、文明を問わずに強い嗜好性があるものというのは、時代や国を問わずに為政者にとって格好のツールになったり、密輸やヤミ流通のアイテムになったりするわけです。需用に比して供給が少ないと、かさばらなくて高額な品物がこっそり扱われるというのはアイテムを問わず普遍的な事実ですね。ここから、法律で禁止されているか、その利用が厳しく制限されている品物が、権力や戦争といかに強く結びつき得るかというのを、この本は様々な歴史的事実から説明しようと試みています。
もし仮に身体に安全で安価なドラッグが登場すれば(可能性としてはあり得ます)、我々の文化はがらりと変わってしまうのかもしれません。伊藤計劃(いとうけいかく)の『ハーモニー』に描かれたように、争いや憎しみが消えると同時に愛情や創造も消えるといった世界が出現するのか、それとも人類ver2のようまったく新しい世界が開けるのか。。そのような物質が創成できたとしたら、まずはサルあたりで試して社会がどのように変化するかを調べなければなりません。
日本呼吸器学会が入会の条件として禁煙を必須としたという噂を聞いたので、学会のホームページに行ってみましたがそのような記載はありませんでした。ずいぶん前には学会会場に喫煙コーナーがありましたが、今はあるんでしょうかね。
”ドラッグ”というと、生きていく上で必需品ではないが、いったんはまると習癖性が強く抜け出すのが困難で、身体には悪い、という先入観がありましたが、生きていく上での必需品であればそれを身体が強く求めるというのも確かなので、サイコアクティブ性があってもおかしくありませんね。単に言葉の問題で、”嗜好性”をどのように定義するかでしょうか。
このような、文明を問わずに強い嗜好性があるものというのは、時代や国を問わずに為政者にとって格好のツールになったり、密輸やヤミ流通のアイテムになったりするわけです。需用に比して供給が少ないと、かさばらなくて高額な品物がこっそり扱われるというのはアイテムを問わず普遍的な事実ですね。ここから、法律で禁止されているか、その利用が厳しく制限されている品物が、権力や戦争といかに強く結びつき得るかというのを、この本は様々な歴史的事実から説明しようと試みています。
もし仮に身体に安全で安価なドラッグが登場すれば(可能性としてはあり得ます)、我々の文化はがらりと変わってしまうのかもしれません。伊藤計劃(いとうけいかく)の『ハーモニー』に描かれたように、争いや憎しみが消えると同時に愛情や創造も消えるといった世界が出現するのか、それとも人類ver2のようまったく新しい世界が開けるのか。。そのような物質が創成できたとしたら、まずはサルあたりで試して社会がどのように変化するかを調べなければなりません。
日本呼吸器学会が入会の条件として禁煙を必須としたという噂を聞いたので、学会のホームページに行ってみましたがそのような記載はありませんでした。ずいぶん前には学会会場に喫煙コーナーがありましたが、今はあるんでしょうかね。