池田信夫『ウェブは資本主義を超える』、日経BP(2007) [論説文]
ISBN978-4-8222-4596-2 C0095
1,700円
☆☆☆★★
第1章 ウェブで何が起こっているのか
第2章 マスメディアの終焉
第3章 イノベーションの条件
第4章 著作権という既得権
第5章 IT産業・復活への道
第6章 通信と放送の未来
第7章 「自治国家」の病理
私は池田信夫先生のブログの愛読者の1人で、池田先生の著書もいくつか読んでいます。この本が出版されたのは2007年と少々昔で、その当時私は池田先生のことは知らなかったのですが、このようなインターネット社会についてのまとまった考察が出ているのを知ったのは割と最近でした。
考察の素材としては、グーグル、ユーチューブ、2チャンネルはカバーされていますがフェースブックやツイッターは含まれていません。、まあでもこれは大した問題ではなく、ネット社会の本質を分析した論文(と言ってもよいでしょう)なので読みごたえは充分にあります。各章は独立して読めるようになっているので、興味のある部分を拾い読みするだけでも充分に楽しめます。
私が面白いと思ったのは、第5章で考察されていた、技術のコモデティ化の話。1980年頃からのコンピューター産業の変遷を振り返り、ソフトもハードもコモデティ化されたことでこの産業が飛躍的に伸びたとされています。私は、コモデティ化は各作業パート(ソフト開発、IC設計など)の分業を可能とし、それにより参入のチャンスが全世界に広まり、これが飛躍的発展の主な理由だろうと思います。これはデジタル家電(スマホ、HDDレコーダーなど)全部について言えることで、今後はコモデティ化は避けられない流れなんだろうなあと思います。
以上
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